なし
長保頃(1000年頃)の白点(巻一・二・三・四・六・七・十)。巻五は、先行する白点(平安初期点)があるため、他の巻と同筆の朱で加点される(543a29~549a23が該当)が、特に注記しなかった。
仮名注と類音注(和製)がある。
声点なし。
陀羅尼への加点はなく、音訳と注記したものは、いずれも漢文中の音訳語への加点。
単一の熟語に仮名注・類音注が混在することがあるため、仮名型には、仮名注と類音注の双方を入力した。
乙点図(慈覚大師点)の加点があるが、未採集のため、漢語サ変動詞・形容動詞などの文法情報は入力していない。
出現位置は、用例の所在は、SAT大正新脩大藏經テキストデータベースに倣い、『大正新修大蔵経』の頁数・段・行数で示す。ただし、原本本文は、『大正新修大蔵経』の本文と異なる場合が有る。
字音の表記が流動的であった平安中期の特徴を示す。白点であることもあって、大坪(1953)以来、長保頃(1000年頃)の加点とされてきたが、仮名字体の面で孤立的な資料であり、時代の特定は難しく、もう少し下る可能性もある。
仮名注と類音注(和製)は、同筆であるが性質は大きく異なる。
開拗音・合拗音ともに、仮名注ではすべて直音表記をとる。類音注では、開拗音・合拗音を正確に写す(あくまで日本漢字音を基準とする)。
仮名注のm韻尾はほぼムで表記され、n韻尾もム表記が多いが、零表記も多い。類音注はm韻尾・n韻尾の区別をほぼ正確に写す。
仮名注のt韻尾はチ・ツでも表記されるが、ム表記・零表記も多い。類音注はt韻尾を正確に写す。
大坪併治(1953)「石山寺本守護国界主陀羅尼経の訓点」(『国語国文』22-11)